価格上昇が報じられたばかりのイーサリアムですが、好調の理由はビットコイン人気の他にもあるようです。AIとの統合計画が発表されたばかりですが、新技術は仮想通貨市場をどのように変貌させるのでしょうか。

創始者がAIとの統合を確認

2015年、ロンドンで発表を行うヴィタリック・ブテリン氏(出典:John Phillips, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons)

イーサリアムの創始者であるヴィタリック・ブテリン氏は、分散型ソーシャルネットワーキングサービスのWarpcastでAI統合の意向を確認しました。「過去2週間にわたって熟考を重ねた」としており、仮想通貨市場に変革をもたらす技術としてAIを有効活用していく模様です。

新規性が鍵となる仮想通貨市場において、革新的なテクノロジーは成功を収めるために最も重要な要素だとされています。AIは2023年に最も注目を集める技術であり、関連技術に期待が高まっているのは言うまでもありません。

そんな中、イーサリアム・コードAI(Ethereum Code AI)なるプロジェクトも話題となっているようです。Yahoo!Financeが伝えたところによると、投資判断を根本から変えるとされるツールの発表は仮想通貨コミュニティーにも驚きを持って受け止められました。

「トレーダーのポテンシャルを解放する」をスローガンに掲げる先進的なプラットフォームの登場により、これまでにないほど高度なデータ解析が可能になるとされています。新たな投資戦略が生まれるとともに、仮想通貨市場をより多くの人に解放する役割も果たすと見られます。

包括性は昨今盛んに議論されるテーマでもあり、AIの活用に正のイメージを与えるものだとも言えるでしょう。イーサリアム・コードAIは「トレーダーのスキルも進化させる」としており、人間とAIが共に成長できるシステム作りを掲げているようです。

また、「AIが最も得意とするリアルタイムの市場分析はもちろん、通貨価値の未来予測まで可能となる」としており、アプリひとつで今までにない高度な投資判断ができる時代が訪れることを示唆しています。

常に成長を続ける仮想通貨市場は、反復学習を特徴とするAIと相性が良いとも言えます。イーサリアムとの関連性は不明ですが、AI技術が仮想通貨の投資に包括的なソリューションを提供するのは間違いないと言っていいでしょう。

実現は先だが、期待は高まる一方

SingularlityNETホームページ

Cardanoが展開するSIngularlityNETのホームページ

すでにChatGPTなどのAIツールは取引に活用されており、イーサリアムのAIとの統合は仮想通貨業界全体に対してプラスの影響があると見込まれます。これは、革新的なツールの存在により投資の敷居が大幅に引き下げられ、より多くの人が取引に参加できるようになるためです。

イーサリアムは6月にもAIを活用したコードリーダーをローンチさせており、各種仮想通貨銘柄の中でも最も先進的な取り組みを行っていると評価されています。仮想通貨市場が楽観的なムードに包まれる中、ブテリン氏のAI統合計画がイーサリアムを後押しするのは間違いないと思われます。

AIとブロックチェーン技術の統合は今に始まったことではなく、これまでにもCardanoのSingularityNETやRender Networkなどの先進的なイニシアティブが発表されています。それにも関わらずイーサリアムが特に大きな注目を集めているのは、時価総額で第3位という規模の大きさに加えて、ブテリン氏のリーダーシップに期待を寄せる人が多いためと思われます。

AIと仮想通貨の統合は通貨市場全体に影響を及ぼす可能性もあり、AIを中心に据えた仮想通貨プロジェクトは今後しばらくは話題の種となり続ける見込みです。